おはようございます。
本日は読書感想文を書いていきますね。
昨日古本屋でマルクス著書「資本論」を購入し読んでみました。興味はあったのですが、なかなか何回な文章であると口コミを見ていたので敬遠していました。しかし、かなりかみ砕いて編集してある本を見つけたので一念発起し、読んでみました。なかなか興味深い内容で面白かったです。
マルクスの主張は現代の「資本主義」を否定する見方もあれば、その資本主義の中でもいい方向にいく方法も書いていました。基本的には産業革命時代のイギリスなどの過酷な労働環境に反論している内容ですね。
読んでビックリしたことは、産業革命で起こった機械化で「資本家」に働かされた労働者(未成年)の平均年齢が20歳未満という数字です。機械化が進んだことで力のいる作業が子供や女性でも可能になったことにより、労働力として使われるようになりました。なんと一日20時間近く働かせていたようです。現代のブラック企業でもさすがにここまでは無いかなと思います。当時の資本家のイメージはそうとう悪に映っていたのだと思います。今も一定数存在するとは思いますが。
現代でも労働基準法などの法整備がなければ、同じように働いている未来があったかもしれません。
労働の利益は資本家のもの
すごく簡単にマルクスが資本家に労働者は搾取されているという事を書くならば、労働者が生み出した製品にのせる利益がだれのものなのかということです。会社のもの。つまり資本家のものだよねという事です。昔は物のやり取りはすべて等価交換でしたが、お金ができ、資本主義ができ、労働は不等価交換になりました。労働で生み出した利益も公平に労働者に分配するべきという主張であり、のちに共産主義のもとになります。
労働者と雇用主との間には必ず労働条件契約書を結びます。どのような形態で雇用するのか、賃金はいくらか、労働時間は何時間か、お休みは何日かなど細かく契約します。一見正当なやりとりに見えますが、資本論からするとすでに不当な契約であるということです。つまり労働で生まれた利潤は上乗せされないですし、年間の昇給額は微々たるものですよね。これは会社員ならわかるかもしれません。まぁ、会社の業績が悪くても給与は保証されるという見方もありますが、リストラやボーナスカットなどのリスクは大いにあります。
会社は利益をだしていい会社にしようといいます。それをモチベーションに働く労働者がいます。しかし本当に見合っただけの給与がもらえているのでしょうか。一例ですが武田●品工業という製薬会社の社長は外人なのですが、年収は4~5億円もらいます。社員の平均年収も1000万近いですが、役員クラスの報酬額はとんでもないことがわかります。資本家もへの分配金も5%と、現代ではそうとういい利率です。この利率で給与が総額されたら文句ないかもしれませんね。
結論からすれば労働者は搾取という言葉が正しいかは不明ですが、すくなくとも恩恵は受ける立場にはいませんね。
資本主義のいきつく先は
資本主義でいるかぎり、資本家も資本家に食われる可能性があります。現代の大きい会社は、大体吸収合併して大きくなってきています。つまり労働者もそれに付き合わされるわけです。入社した会社の名前が変わった人も多いでしょう。
このことについても約200年前に生きていたマルクスは想定していました。今の巨大テック企業はいい例かもしれません。技術発展がもたらすものは、利益と労働者のゆとりかもしれません。が、別の側面から見れば、機械やAIによって仕事がなくなるリスクをはらんでいます。現に産業革命時には機械を壊す運動(ラッダイト運動)が労働者の中に起こったようです。AIの進歩によって働く先がなくなる未来があるかもしれません。AIが出て来たことによる新しい労働も生まれますが、従来のような工業製品のように人でがいらない仕事がメインですし、知識が必要な業務になりますので教育環境や努力環境が提供されていない人には厳しい未来があると思います。
結論
私は現代の資本家が悪だとは思いません。が、このような搾取感覚で動く資本家は、現代にも多く存在すると思います。私は会社が提唱する「やりがい」が嫌いな言葉です。仕事をする以上やりがいを持ってやるのはいいことです。が、会社が言っていい言葉であるとは思いません。なぜか。だったら「やりがい」を持てというなら、利益分をしっかり還元しろよと思ってしまうのです。それぐらいの労働を提供するからと。やりがい搾取とはそのまんまの言葉ですね。
労働者もこの資本主義で生きていくなら、自ら勉強しなければならないと思います。資本論にも書かれていますが、資本家に一番都合がいい労働者は、「労働力」しか売るものが無い人間です。言い換えれば、「時間」しかお金に換える術がない人。このような人は資本家のカモになってしまうのです。資格を取ったり、お金を稼げるスキルを身につけたり、やるべきことはあります。搾取されないためには、それなりの努力がいります。共産主義もうまく行かなかった現実がありますので、我々が生きている時代に資本主義から脱することもないと思います。
資本論は極論的な見方がありますが、現代に起こることをある程度見えていました。200年前に現代の未来が見えていたのは、資本主義という構造がそのようにできている証拠になります。
資本主義という現代を生き抜くためには、あなたが資本家になれるように努力なり挑戦をするか、自分のスキルや能力を高めて、どの会社でも通用するような汎用性を身につけることかもしれません。
さて勉強しよう。
では。